Impact Relations

※For English, visit the website of Global Impact Relations Network for more details: https://impactrelations.org/


インパクトリレーションズとは?

Impact Relations(インパクトリレーションズ)とは、社会や環境によりよいインパクトを生み出すための新たなコミュニケーションの手法・サービスです。ビジネス成長と社会的インパクトを同時に追求する社会的企業や組織を対象に、インパクトコンサルテーション、インパクトアセスメント・評価、コミュニケーション戦略の3つのコアサービスを提供し、事業の社会的・環境的なインパクトの最大化を目指します。

なぜ今、インパクトリレーションズが必要なのでしょうか?

昨今、CSR(企業の社会的責任)やCSV(共有価値の創造)などが国内でも広がりを見せ、経済的価値だけでなく、事業を通じた社会的価値の創出を追求する企業も増えてきました。欧米では、B corporation (B Corp)といった所謂「良い会社」の世界標準の認証を受ける企業も増え、今では世界60か国・2600社以上が、B-Corpの認証をうけています*。
*参考記事:世界標準「B Corp」を知っていますか アジアで広がる「良い会社」認証

このような、経済的リターンと社会的リターンを追求する新しい経済(Impact Economy)の流れに賛同する企業、非営利組織、起業家や投資家の増加を受け、コーズリレーテッドマーケティング、CSRコミュニケーション、ガバメントリレーションなど、従来のPRの枠組みを超え、人々の意識・態度変容を促す新たなコミュニケーションの手法が次々と生まれてきました。

そして昨今、欧米では、コミュニケーションの力でよりよい社会変容を創出するという共通のビジョンをもつPRの実務家、B-corpなどの社会的企業、メディアやジャーナリストなどが集まり、「Impact Relations」という新たなコミュニケーションの領域を定義づけました。この新たなコミュニケーションの手法は発展途上にはありますが、ビジョンを共有する主に欧米のコミュニケーションの実務家やPR会社などが、独自の手法を開発し、事例などを発信しています。

インパクトリレーションズは、PRとどう違うのか?
インパクトリレーションズは、PR、ガバメントリレーション、インベスターリレーション、インターナルコミュニケーション、などに続き開発された、コミュニケーションにおける新たな手法・領域です。

インパクトリレーション ズ は他のコミュニケーション領域の手法を活用しつつも、主に以下の特徴があります。
■インパクトリレーションズは、コミュニケーションとストーリーの力を用いて、社会や環境のよりよい変化をもたらすことを主目的とする
■戦略は、インパクトの創出や、組織の目的(Purpose)の達成を目的とし立案される
■戦略やキャンペーンの成功を、露出の数、ブランド認知や収益だけで測るのではなく、インパクトの創出という観点からも測定する。

インパクトリレーションズは、PRの手法を用いつつも、インパクトコンサルティングを提供するという大きな違いがあります。故に、インパクトコンサルタントは、国連のSDGsを始めとする世界的な枠組みや、教育・飢餓・サスティナビリティなどといった広範囲のグローバルな社会課題のトピックに対する知見を常にアップデートしていくことが求められます。

インパクトリレーションのコア要素とは?
インパクトリレーションズには、インパクトコンサルティング、インパクト評価、そして戦略コミュニケーションの3つのコア要素があります。しかし、必ずしもこの3つの要素が全て含まれていなくても、コミュニケーション戦略や施策がよりよい社会・環境づくりにつながっているのであればインパクトリレーションズといってよいでしょう。

①インパクトコンサルティング
インパクトコンサルティングは、組織やステークホルダーを取り巻く社会課題を分析し、ブランド(企業)のビジョンや事業価値との接続点を見出します。そして、当該領域で既に実績を出している他の組織とも連携しながら、自社ならではの新たな取り組みを創造します。
インパクトコンサルティングの目的は、企業とともに課題の解決を一歩前進させることですので、寄付活動といった「お金」だけの解決ではなく、より一歩踏み込んだプロジェクトを提案します。例えば、貧しい地域やコミュニティに対し、従来の企業寄付活動ではなく、労働市場から疎外されたコミュニティに住む人たちに雇用の機会を提供するなど、課題の根本的な問題解決につながるような取り組みを考えます。

②インパクトアセスメント・評価
コミュニケーションキャンペーンのインパクトがもたらす環境・社会のインパクトを測ることは複雑であり、統一された手法はありません。しかし、インパクトアセスメント・評価をする上で以下のようなポイントを押さえることが大切です。
■ゴールの設定:そのキャンペーンなどを通じて、環境、コミュニティ、または自社の労働環境などにどのような変容を起こしたいのかを明確化します。アウトプット(例:参加数、実施回数など)ではなく、アウトカム(行動・意識の変容など)を具体的に設定します。
■ベンチマークの設定:現在自社が生み出しているインパクトを測り、ベンチマークを設定します。このベンチマークに対し、キャンペーン実施後に生み出されたアウトカムを比較し、インパクトを測定します。
■ターゲットの設定:対象や規模感を設定します。変化が定量的または定性的に測れるような対象を設定することが大切です。また、1年~5年程度のスパンで、短期・中期・長期目標を設定します。
■進捗を把握する:四半期毎にインパクトを測定します。達成度や進捗にあわせ、ゴールの設定も調整していきます。

インパクトを測定するツールは、国内では主にSocial Impact Management Initiative (SIMI)が、インパクト評価・インパクトマネジメントのガイドラインやツールを提供しています。詳細は、こちら: http://www.impactmeasurement.jp/

また海外では以下のような既存のツールが活用されています。
■B Corp “B Corp Impact Assessment” : 企業のインパクトをガバナンス、コミュニティ、社会・環境などのカテゴリーで測る包括的な評価ツール。
■United Nations “Global Compact Assessment” : 国連のグローバルコンパクトに含まれる社会課題が企業の戦略に含まれているかを測るツール。このツールは、 ビジネスと人権に関する国連フレームワーク に即しています。
その他、PWCが開発したTotal Impact Measurement and Managementや、The GreenHouse gas Protocolによる二酸化炭素の排出を測定するツール、The Sustainability Consortiumによるサプライチェーンに関するアセスメントツールなどがあります。

③戦略コミュニケーションとストーリー発信
インパクトリレーション ズ は、従来のPR・メディア活動の手法とほぼ同様の手法(メッセージング、戦略立案、メディアリレーション、インターナルコミュニケーション、ステークホルダーリレーション、オンライン・オフライン施策など)を用います。
しかし、PRによる企業の収益拡大を最終ゴールとするのではなく、社会的インパクトの創出にむけた行動変容を起こすということに目的が置かれ、それを基にPRの手法やチャネルを選択し、PR戦略を設計します。
また、インパクトリレーション ズ においては、企業の事業内容(WHAT)ではなく、企業の存在意義や目的(WHY)を訴求するメッセージやストーリー開発が重要となります。
メディア露出の数も重要ではありますが、いかに行動・意識変容が起こせるかというベンチマークでコミュニケーション活動の成果を測ることが重要です。

インパクトリレーションは誰が実施しているのか?
インパクトリレーションズを推進するグローバルネットワーク「 Global Impact Relations Network 」には、欧米を中心とする数多くのPR実務家やコミュニケーション会社が加盟しています。
加盟団体・企業のリストはこちらから: https://impactrelations.org/directory/

インパクトリレーションズについて学ぶには?事例は
インパクトリレーションズの手法やガイドラインはまだ発展途上にはありますが、Global Impact Relations Networkでは、ガイドラインや行動規範、事例の紹介など様々なリソースを提供しています。Thrive Communicationsのブログでも、事例などを日本語で紹介するとともに、今後日本の事例をグローバルネットワークに発信していく予定です。
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■Evolving Guide to Impact Relations (こちらのページよりサインアップし、ダウンロードができます)

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